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​​礼拝説教要旨

2025年5月4日(日)

「“神の御心ならば、また戻って来ます”と言って

別れを告げ…。」 (使徒言行録18章21節より)

  パウロは第2回目となる伝道の旅を終えるに当たり、エフェソに立ち寄りました。エフェソはアジア州の首都で大きな町でありましたが、以前パウロは聖霊に禁じられ、行く事を許されませんでした(16:6)。しかし今回、思いがけなくも訪れる機会を得、パウロはここで伝道致しました。ただ諸般の事情で大変短い滞在に終わります。エフェソの人々も残念に思い、パウロ自身も物足りなく思った事でしょう。けれどもパウロは“神様の御心”を第1にしたのです。人間的な気持ちからすれば、もっと長くここに留まりたかった処を“神の御心ならば”と静かに受け止め、“御心ならばまた戻る機会もあるだろう”と考えました。その祈りと信仰は第3回目の伝道の折応えられ、パウロは約3年間エフェソに留まる事になるのです。主イエスも「まず神の国と神の義を求めなさい。そうすればこれらのものは加えて与えられる」(マタイ6:33)と約束されました。祈りの不思議さを思います。   牧師 桑原睦彦

教会前の花壇

​2025年5月11日(日)

「…アポロはそこへ着くと、既に恵みによって信じていた人々を大いに助けた。」 (使徒言行録18章27節より)

パウロの3度目の伝道旅行が始まった頃、パウロに先んじてアポロというユダヤ人伝道者がエフェソを訪れ活動します。主イエスを救い主と信じ“霊に燃えて”(口語訳)力強く大胆に伝道致しますが、洗礼者ヨハネの洗礼しか知らない人でした。そこで、アキラとプリスキラ夫妻の導きで聖霊を信じる信仰を学んだアポロは、いよいよ力を得て次の伝道地コリントへと向かいます。コリントには既にパウロの伝道により信仰者の群れ(教会)が生まれており、アポロの説教は信仰者達を大いに力付け励ましました。ただ伝道者達の献身的な働きとは裏腹に、コリント教会は分裂、分断の危機を迎えてしまいます。パウロを好む者達はパウロ派を名乗り、アポロを好む者達はアポロ派を名乗って混乱致します。この事態を憂い、パウロは手紙を送り「大切なのは成長させて下さる神様を崇める事だ」(Ⅰコリント3:7)と教え諭します。栄光は神にのみ帰せられるべきだからです。           牧師 桑原睦彦

開花

2025年5月25日(日)

「…アジア州に住む者は、ユダヤ人であれギリシア人であれ、だれもが主の言葉を聞くことになった。」    

(使徒言行録19章10節より)

パウロはエフェソでこれ迄と同じ様に、先ずユダヤ人の会堂で安息日毎御言葉を告げ、伝道を始めます。3か月程経った頃、ユダヤ人の一部から福音に対する非難の声が挙がる様になりました。十字架に架かって死んだ者(主イエス)は神に呪われ見棄てられた者であるから、メシアなどではないと言うのです。福音が通じず伝わらない事を悟ったパウロは、会堂を去りました。伝道の拠点を失うという非常事態に、しかし間もなくティラノと言う名の理解者が現われ“講堂(私塾の様な場所)”の一室が提供されて、その後2年の間落ち着いて伝道に励む事が出来ました。そのお蔭でエフェソの町だけでなく、広くアジア州全体に福音の御言葉が宣べ伝えられる事になったのです。私達の人生もその進路が諸事情により変えられる事があります。当初はマイナスに思われる場合にも神様の御手は必ず働いて、プラスに変えて下さる事を信じて参りたいと思います。

花壇

​​(2025年4月27日 伝道開始100年記念礼拝説教)

礼拝説教集: あなたも仲間に

「新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れねばならない。」  

 (ルカによる福音書5章38節)

主イエスは、当時の宗教者達が扱う事が出来なかった悪しき霊に取りつかれた人を解放し、近づく事さえ恐れた重い皮膚病の人を癒され、救いの約束から程遠いと見做されていた徴税人を弟子にされました。その全てがこれ迄に無い全く新しい御業であり、又普段の生活ぶりも厳格に掟を守る保守的な指導者の目には、律法を軽んじる自由奔放な姿に見えたのでしょう。「あなたもあなたの弟子達も何故断食しないで自由に飲み食いするのか」と主を批判致します。その批判の声にお答えになったのが冒頭の御言葉です。主イエスが私共の救い主としてお始め下さった御業は、その全てが救いの恵みと甦りの命に満ち溢れています。その恵みと命を宿す事を許されたひと群れが教会です。それ故に聖書の信仰は、地上の教会を“聖霊の宮”と言い“キリストの御体”であるとさえ呼ぶのです。どれ程小さく力の乏しい群れであっても、キリストの命を宿す限り新しい革袋となり得ます。み言によって改革されて行くからです。    

牧師 桑原睦彦

  • 日本キリスト教団 全国連合長老会

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